北電百貨店
店舗の概要
本店
門司鎮西橋駅に隣接する本店は、戦前から続く北電の商業施設なかでは最も歴史のある店舗である。 一般向けには単に北電百貨店と案内される。ターミナルデパートを志向していたが、戦後は市内の他百貨店の後塵を拝し、長らく低迷した時期がつづいていた。 1997(平成9)年10月5日に大規模なリニューアルを果たし、以降は比較的堅調な販売成績を残している。リニューアルのコンセプトは「さがしもののあるところ」。 テナントを減らして直営売場を増やし、Ilisと同様にバイヤーが販売員を兼任する体制に変更され、商品の展開力の強化を目指した。 店舗独自の取り組みでは、国際貿易港である門司港に立地する特色を活かし、1階フロアでインポート雑貨を展開しているほか、 バナナを多く取り扱っていた歴史からバナナジュースなどオリジナル加工品の開発・販売などが行われている。 また、北電線の定期券購入者は定期券区間から本店のある門司鎮西橋駅までの往復乗車券がサービスされる。
ロゴ
ロゴは、1997(平成9)年のリニューアル時に改められたものである。コンセプトカラーはターコイズブルーであり、ロゴや紙袋などに用いられている。
フロア
Ilis(イリス)
中央町駅に隣接するIlisは、インテリア雑貨を主に扱う店舗である。コンセプトは「生活環境を多角的にデザインする」。 店名はInteract Living Innovation Square の頭文字をとった。1985(昭和60)年3月17日、新たに開業した中央町駅ビルの核テナントとして開店した。 コンセプトを明確にし、ターゲット層とコンテンツを絞るなど、様々な新機軸を取り入れた。 商品の展開ではリビング、インテリア、ホビーの3つの観点から分類する新しい考え方を導入、ファッションのウェイトが低いのも特徴である。 当初は、20代から30代の独身層と若いファミリー層をターゲットとしたが、現在では、周辺環境の変化などから、 若年層の取り入れを魚町に開業したアトラスシティに譲り、より高い年齢層をターゲットとしている。 このほかにも、販売体制では、バイヤーが販売員を兼任する体制をとり、のちの本店リニューアルの布石となっている。
フロア
6F | HOBBY | ホビー雑貨/アウトドア・トラベル |
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5F | INTERIOR―2 | インテリア雑貨/エレクトリック/リフォーム/青友会(友の会)サロン |
4F | INTERIOR―1 | インテリア雑貨/ファニチャー |
3F | LIVING―2 | 生活雑貨/文具/本/アート/カルチャーセンター |
2F | LIVING―1 | 食品/キッチン雑貨 |
1F | (中央町交通センター) | 中央町駅バスターミナル |
メディエイター制(バイヤー・販売員兼任制)
先述の通り本店とIlisでは、バイヤーが販売員を兼任する体制をとっている。 作り手に近いバイヤーが使い手に近い販売員を兼任することによって、双方の視点から、品物の生産から利用まで一貫して考えられた商品の展開を可能にしている。 このとき、店は作り手と使い手の間を取り持つ役割を持つことから、バイヤー兼販売員のことを英語で仲介者を意味するメディエイターとよんでいる。 メディエイターは1年を3ヶ月ずつの4つにわけた期間のうち、2つの期間をバイヤーと販売員としてそれぞれ働き、残りの2つの期間はバイヤーか販売員かを希望に応じて選択して働くことになっている。 なお、バイヤーは全員が販売員を兼任することになっているが、販売員が全員バイヤーを兼任しているわけではない。