企画乗車券
概要
従来、北電の利用者は通勤通学利用がほとんどで観光利用は殆ど無いと言っても過言ではなかった。 しかし、近年は門司港レトロなど観光の目的地の整備が進められたことに加え、とくに最近ではインバウンド客の増加から観光利用が増加しつつある。 これは都市規模の縮小から減少の兆しを見せつつある通勤通学利用とは対照的なものである。
北電では、来訪者に北九州に長く滞在してもらい、滞在期間中に北電の電車、バスを利用して北九州を自由に巡ってもらう「周遊型」の観光スタイルを提案している。 具体的には北電線と北九州市内の北電路線バスが連続する2~3日間乗り放題になる 「KITAKUSHU 2Day Pass」、「KITAKUSHU 3Day Pass」を発売しているほか、これらの切符とホテルを組み合わせた旅行商品も発売している。 さらに、沿線住民にも観光利用をしてもらおうと同様に北電線と北九州市内の北電路線バスが乗り放題になる「KITAKUSHU 1Day Pass」を発売している。 また、来訪者、沿線住民双方に向けたデスティネーションキャンペーン「きたでんハイパープッシュ」を展開している。
一覧
フリーパス型の企画乗車券の展開が多いのが特徴。往復乗車券と周遊券や入場券といった組み合わせの商品の発売は少ない。
KITAKYUSHU 1Day/2Day/3Day Pass
北電線と北九州市内の北電路線バスが乗り放題になる乗車券。「1Day」「2Day」「3Day」の3種類を発売しており、有効期限はそれぞれ1~3日である。
発売額 | 1Day | 2Day | 3Day |
---|---|---|---|
大人 | ¥1,700 | ¥2,500 | ¥3,300 |
小児 | ¥850 | ¥1,250 | ¥1,650 |
KITAKYUSHU 1Day/2Day/3Day Pass EX
北電線と北九州市内の北電路線バスに加え北九州市営バスの路線バスが乗り放題になる乗車券。 さらに、若戸渡船が「1Day」では1往復、「2Day」「3Day」では2往復乗船できる。「1Day」「2Day」「3Day」の3種類を発売しており、有効期限はそれぞれ1~3日である。
発売額 | EX 1Day | Ex 2Day | Ex 3Day |
---|---|---|---|
大人 | ¥2,200 | ¥3,400 | ¥4,600 |
小児 | ¥1,100 | ¥1,700 | ¥2,300 |
「KITAKYUSHU 1Day/2Day/3Day Pass」と「KITAKUSHU 1Day/2Day/3Day Pass EX」の2券種は同様のサービスで大人用の発売額より割引された「修学旅行生用」を発売している。 北九州市は鉄軌道系交通機関の充実や北九州マイタウンバスの整備など公共交通の拡充に努めており”修学旅行の班別研修に適した街”を掲げている。
きたでん1日フリー乗車券
北電線乗り放題、北電路線バス乗り放題などの各フリー乗車券の総称。区間、エリアが限定されたものもある。 駅の自動券売機、バス車内でも発売されていることからより手軽に利用できるようになっている。
券種 | 大人 | 小児 | |
---|---|---|---|
北電線 | 全線 | ¥900 | ¥450 |
鎮西橋~金田※1 | ¥600 | ¥300 | |
北電路線バス | 北九州市内 | ¥800 | ¥400 |
小倉都心 | ¥400 | ¥200 | |
門司港 | ¥300 | ¥150 |
きたでんハイパープッシュ
きたでんハイパープッシュは北九州電鉄を中心として旅行会社等と協同して毎年行われるデスティネーションキャンペーンである。 2003(平成15)年以降実施されており、宣伝費の投資を集中させ全国的にポスターの掲示、パンフレットの設置、さらにはTVコマーシャルの放送などを行い、北電の宣伝戦略の中枢を担う。
2000年代初頭、通勤通学利用の停滞から観光客需要の掘り起こしが北電にとって必須のものになっていた。 しかし、路線の位置の関係上市外からの観光客が北電を利用する必然性はなく、全国的に北電の存在を宣伝する必要があった。 そこで、これまでないに等しかった宣伝戦略を練り直すことにした。 一定期間に集中して投資をすることが大事だと考え、JRなどが行ってきた「デスティネーションキャンペーン」をベースにした。 ターゲットを10代後半から20代に据え、キャンペーン名もFMのヘビーローテーションをイメージして「きたでんハイパープッシュ」とし洗練された雰囲気を全面に押し出した。 またその内容は、北九州全体ではなく1~3駅程度の狭い地域に限定した上で、歴史の流れに合わせて「名所」「食事」「名産」を紹介するという独特のスタイルにより洗練されながらもディープな情報を提供しニッチな需要の取り込みにも努めた。 第一弾は門司港レトロが注目を集めていた「門司鎮西橋駅」に決定され、2003(平成15)年5月から11月の半年間行われた。 実際の計画の策定やキャンペーンの展開は現業機関である駅に任せられ、普段乗客に一番近くで接する駅員の意識向上にも役立ったほか、知られざる情報の発掘にもつながりキャンペーンを特色づけた。 これらの功績は後に現業機関の横断組織「営業区」の設置につながり、第二弾以降は営業区を中心にしてキャンペーンを展開している。